2014年11月22日
小雪
今日は「小雪」。雪が少し降り始める頃だそうですが、北海道などでは結構降ってますよね。北国ではあれでも少ない方なのでしょうかね。名古屋だったら確実に交通マヒしてしまう量です。
「Poisson Blending」という、画像の重ね合わせを自然に行うための手法について、サンプル・プログラムを見つけたのでそれを利用して簡単なツールを作成してみました。うまくいく場合があればダメな場合もあって、どこかに不具合がある可能性もあるので、もう少しテストが必要そうですが、それでも面白い結果が得られるのでなかなか楽しめます。サンプル・プログラムを公開して下さった方に感謝。
そして、恒例の大学入試問題ですが、今回は「数学問題bot(個人用)」から名古屋大の問題を取り上げました。例によって合っている保証はないです。一週間ほど、暇を見つけてはチャレンジしていました。
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■ a ≥ b > 0 とする。自然数 n に対して、次の不等式を証明せよ。
an - bn ≤ ( n / 2 )( a - b )( an-1 + bn-1 ) (1982年名大)
a > 0 なので、両辺を an で割ると、
(左辺) = 1 - ( b / a )n
(右辺) = ( n / 2 )( 1 - b / a )[ 1 + ( b / a )n-1 ]
そこで、b / a = x とすると 0 < x ≤ 1 で、(左辺) と (右辺) は
(左辺) = 1 - xn
(右辺) = ( n / 2 )( 1 - x )( 1 + xn-1 )
となります。(左辺) は
(左辺) = ( 1 - x )( 1 + x + x2 + ... + xn-1 )
なので、1 - x = 0 ( つまり a = b ) なら両辺は等しくなり成り立ちます。それ以外なら 1 - x > 0 なので、両辺を 1 - x で割って
(左辺) = 1 + x + x2 + ... + xn-1
(右辺) = n( 1 + xn-1 ) / 2
の大小関係を調べればよいことになります。n = 1 のとき、(左辺) = 1、(右辺) = 1 で成り立ちます。
1 + x + x2 + ... + xn-1 ≤ n( 1 + xn-1 ) / 2
が成り立つと仮定したとき、
1 + x + x2 + ... + xn
= 1 + x( 1 + x + ... + xn-1 )
≤ 1 + nx( 1 + xn-1 ) / 2
で、n + 1 のときの (右辺) = ( n + 1 )( 1 + xn ) / 2 と 1 + nx( 1 + xn-1 ) / 2 との差は
( n + 1 )( 1 + xn ) / 2 - [ 1 + nx( 1 + xn-1 ) / 2 ]
= ( n + nxn + 1 + xn - 2 - nx - nxn ) / 2
= [ n( 1 - x ) + xn - 1 ] / 2
となります。これを f(x) とすると f(0) = ( n - 1 ) / 2 ≥ 0、f(1) = 0 です。f'(x) は
f'(x) = ( -n + nxn-1 ) / 2 = n( xn-1 - 1 ) / 2
で、0 < x < 1 において f'(x) < 0 なので、f(x) は 0 < x < 1 の範囲で単調減少で極値を持ちません。
従って、f(x) ≥ 0 ( 0 < x ≤ 1 ) が成り立ち、
1 + x + x2 + ... + xn ≤ 1 + nx( 1 + xn-1 ) / 2 ≤ ( n + 1 )( 1 + xn ) / 2
となることが示されるので、帰納法により不等式が成り立つことが証明されました。
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(補足) 元のサイトでは、(右辺) が ( n / 2 )( a - b )( an-1 - bn-1 ) となっていました。しかし、この場合 n = 1 のときはゼロになってしまうので、不等式が成り立たず、他のサイトで符号が違うことを確認しました。作者さんへは返信をしていますが、今のところはまだ修正されていないようです。
「Poisson Blending」という、画像の重ね合わせを自然に行うための手法について、サンプル・プログラムを見つけたのでそれを利用して簡単なツールを作成してみました。うまくいく場合があればダメな場合もあって、どこかに不具合がある可能性もあるので、もう少しテストが必要そうですが、それでも面白い結果が得られるのでなかなか楽しめます。サンプル・プログラムを公開して下さった方に感謝。
そして、恒例の大学入試問題ですが、今回は「数学問題bot(個人用)」から名古屋大の問題を取り上げました。例によって合っている保証はないです。一週間ほど、暇を見つけてはチャレンジしていました。
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■ a ≥ b > 0 とする。自然数 n に対して、次の不等式を証明せよ。
an - bn ≤ ( n / 2 )( a - b )( an-1 + bn-1 ) (1982年名大)
a > 0 なので、両辺を an で割ると、
(左辺) = 1 - ( b / a )n
(右辺) = ( n / 2 )( 1 - b / a )[ 1 + ( b / a )n-1 ]
そこで、b / a = x とすると 0 < x ≤ 1 で、(左辺) と (右辺) は
(左辺) = 1 - xn
(右辺) = ( n / 2 )( 1 - x )( 1 + xn-1 )
となります。(左辺) は
(左辺) = ( 1 - x )( 1 + x + x2 + ... + xn-1 )
なので、1 - x = 0 ( つまり a = b ) なら両辺は等しくなり成り立ちます。それ以外なら 1 - x > 0 なので、両辺を 1 - x で割って
(左辺) = 1 + x + x2 + ... + xn-1
(右辺) = n( 1 + xn-1 ) / 2
の大小関係を調べればよいことになります。n = 1 のとき、(左辺) = 1、(右辺) = 1 で成り立ちます。
1 + x + x2 + ... + xn-1 ≤ n( 1 + xn-1 ) / 2
が成り立つと仮定したとき、
1 + x + x2 + ... + xn
= 1 + x( 1 + x + ... + xn-1 )
≤ 1 + nx( 1 + xn-1 ) / 2
で、n + 1 のときの (右辺) = ( n + 1 )( 1 + xn ) / 2 と 1 + nx( 1 + xn-1 ) / 2 との差は
( n + 1 )( 1 + xn ) / 2 - [ 1 + nx( 1 + xn-1 ) / 2 ]
= ( n + nxn + 1 + xn - 2 - nx - nxn ) / 2
= [ n( 1 - x ) + xn - 1 ] / 2
となります。これを f(x) とすると f(0) = ( n - 1 ) / 2 ≥ 0、f(1) = 0 です。f'(x) は
f'(x) = ( -n + nxn-1 ) / 2 = n( xn-1 - 1 ) / 2
で、0 < x < 1 において f'(x) < 0 なので、f(x) は 0 < x < 1 の範囲で単調減少で極値を持ちません。
従って、f(x) ≥ 0 ( 0 < x ≤ 1 ) が成り立ち、
1 + x + x2 + ... + xn ≤ 1 + nx( 1 + xn-1 ) / 2 ≤ ( n + 1 )( 1 + xn ) / 2
となることが示されるので、帰納法により不等式が成り立つことが証明されました。
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(補足) 元のサイトでは、(右辺) が ( n / 2 )( a - b )( an-1 - bn-1 ) となっていました。しかし、この場合 n = 1 のときはゼロになってしまうので、不等式が成り立たず、他のサイトで符号が違うことを確認しました。作者さんへは返信をしていますが、今のところはまだ修正されていないようです。