2015年08月22日

解と係数の不思議な関係

気がつけば、夏休みも残り一週間あまりとなりました。

天むすは名古屋が発祥の地と思っていましたが、実際は三重県の津市なんだそうです。本当に知りませんでした。名古屋の人にウケたからそう勘違いされるようになったんでしょうかね。しかし、自分はあまり食べたことないです。エビフライも特別好きというわけではないし。

マテマティカ2」さんからまた一問挑戦。例によって合っている保証はありません。

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方程式

x17 + 7x = 1 (☆)

について、

(1) ☆の 17 個の解の 17 乗の総和を求めよ。
(2) ☆の 17 個の解の逆数の和を求めよ。

( x - a )( x - b ) = x2 - ( a + b )x + ab より、二次方程式 x2 + Ax + B = 0 の解と係数の関係は

A = -( a + b )
B = ab

となります。これは、たしか高校時代に習った内容だったと記憶しています。

二次方程式の左辺に x - c を掛けた三次式

[ x2 - ( a + b )x + ab ]( x - c )

の二次項は、左側カッコ内の式の一次項 -( a + b )x と右側カッコ内の式の一次項 x の積と、同様に左側二次項 x2 と右側定数項 -c の積の和となるので係数は -( a + b + c ) となり、二次項の係数は解の和の符号を反転したものと等しくなります。N 次方程式の N - 1 次項の係数が同様に解の和の符号を反転したものに等しい、すなわち

Πi{1→N}( x - ai ) = xN - Σi{1→N}aixN-1 + R(x)

但し R(x) は N - 2 次以下の項の和

と仮定したとき、この式に x - aN+1 を掛けて展開すると、N 次項は、左側カッコ内の式の N - 1 次項 -Σi{1→N}aixN-1 と右側カッコ内の式の一次項 x の積と、左側 N 次項 xN と右側定数項 -aN+1 の積の和となるので係数は -Σi{1→N+1}ai となり、N 次項の係数も解の和の符号を反転したものに等しくなります。よって帰納法により、任意の自然数 N に対し、N 次項の係数が 1 である N 次方程式の係数は解の和の符号を反転したものに等しくなります。

方程式 x17 + 7x = 1 に対し、16 次項は存在しない(係数はゼロ)ことから解の和はゼロになります。任意の解について x17 = 1 - 7x なので、解 x を 17 乗した値の和は 1 - 7x の和に等しくなります。ところが 7x の和はゼロになるので、和は 17 となります。

同様に一次項について考察すると、三次式においては左側定数項 ab と右側一次項 x の積と、左側一次項 -( a + b )x と右側定数項 -c の積の和になるので係数は

( a + b )c + ab = bc + ca + ab = abc( 1/a + 1/b + 1/c )

になります。また、定数項は -abc であることはすぐに分かります。そこで N 次方程式が

Πi{1→N}( x - ai ) = xN + ( -1 )N+1Πi{1→N}aiΣi{1→N}( 1 / ai )x + ( -1 )NΠi{1→N}ai + R(x)

但し R(x) は 2 次から N - 2 次までの項の和

と仮定してみます。これに x - aN+1 を掛けて展開すると、一次項は、左側定数項 ( -1 )NΠi{1→N}ai と右側一次項 x の積と、左側一次項 ( -1 )N+1Πi{1→N}aiΣi{1→N}( 1 / ai )x と右側定数項 -aN+1 の積の和になるので係数は

( -1 )NΠi{1→N}ai + ( -aN+1 )( -1 )N+1Πi{1→N}aiΣi{1→N}( 1 / ai )
= ( -1 )N+2( 1 / aN+1i{1→N+1}ai + ( -1 )N+2Πi{1→N+1}aiΣi{1→N}( 1 / ai )
= ( -1 )N+2Πi{1→N+1}aiΣi{1→N+1}( 1 / ai )

であり、帰納法によって、任意の N に対して一次項の係数が ( -1 )N+1Πi{1→N}aiΣi{1→N}( 1 / ai ) となることが示されます。同様に、定数項が ( -1 )NΠi{1→N}ai で表されることは簡単に示すことができるので、この二つを使うと解の逆数の和は一次項の係数を定数項で割って符号を逆転することで求めることができます。

方程式 x17 + 7x - 1 = 0 の一次項は 7、定数項は -1 なので、解の逆数の和は -( 7 / -1 ) = 7 となります。

多項式の解と係数の関係を利用した問題ですね。最初はどこから手を付ければよいかなかなか気づかず苦戦しました。

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