2017年03月12日
名大入試問題 2017 (4)
暑さ寒さも彼岸までとは言いますが、来週になれば暖かくなるのでしょうかね。
少し前に「ブラック・ジャック」の 1, 2 巻を買いました。昔の単行本のやつです。まだ買えるんですねこれ。
久しぶりに読みましたがやっぱり面白いです。続けてほしくなりましたが、コンプリートしようとすると結構お金かかるんですよね。どうしましょうか。
2017 年の名大入試問題の理系最後の問題です。次回から文系に移ります。
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n を自然数とする。0 でない複素数からなる集合 M が次の条件 (I), (II), (III) を満たしている。
(I) 集合 M は n 個の要素からなる。
(II) 集合 M の要素 z に対して 1 / z と -z はともに集合 M の要素である。
(III) 集合 M の要素 z, w に対して、その積 zw は集合 M の要素である。ただし、z = w の場合も含める。
このとき、次の問に答えよ。
(1) 1 および -1 は集合 M の要素であることを示せ。
(2) n は偶数であることを示せ。
(3) n = 4 のとき、集合 M は一通りに定まることを示し、その要素をすべて求めよ。
(3) n = 6 のとき、集合 M は一通りに定まることを示し、その要素をすべて求めよ。
(1) 集合 M のある要素 z に対して (II) より 1 / z は M の要素なので、(III) より z と 1 / z の積 1 は必ず集合 M の要素となります。また、(II) より -z も M の要素なので、(III) より -z と 1 / z の積 -1 も M の要素です。
(2) (1) より { 1, -1 } は必ず集合 M の要素となるので、M の一つの要素を z としたとき -1 との積 -z が必ず M に存在します。0 を含まないことから z ≠ -z かつ集合 M の異なる二つの要素 z1, z2 に対して -z1 ≠ -z2 なので、集合 M の要素は { z, -z } のペアをちょうど複数個持つことになり、n は偶数となります。
(3) { 1, -1 } は必ず M にあるので、残り 2 つの要素は ±1 とは異なるある複素数 z に対して [ z, 1 / z, -z } で表され、z ≠ -z より 1 / z は z, -z のいずれかと等しいことになります。z = 1 / z のとき z2 = 1 より z = ±1 なので条件を満たしません。-z = 1 / z のとき z2 = -1 となり、z = i より 4 つの要素 { 1, -1, i, -i } が決まります。
(4) ±1 とは異なるある複素数 z に対して条件 (III) より z2 も M の要素となります。z2 = 1 のとき z = ±1 であり条件を満たしません。また、z2 = -1 のとき z = i なので、これは n = 4 の場合に該当します。z2 = ±z のとき z = ±1 なのでこれらも除外すると、z2 は新たな要素であることになります。従って、{ 1, -1, z, -z, z2, -z2 } は集合 M の要素の一部を表し、その他に ±1 / z, ±1 / z2 も集合 M に含まれます。
1 / z = ±z のときは z2 = ±1 となりこれは n = 2, 4 の場合に該当します。
1 / z = z2 のとき z3 = 1 より 1 以外の解は z = ( -1 ± √3i ) / 2 となります。このとき、1 / z = 2 / ( -1 ± √3i ) = ( -1 ∓√3i ) / 2 = z2 であり、1 / z2 = 2 / ( -1 ∓√3i ) = ( -1 ±√3i ) / 2 = z となります。
1 / z = -z2 のとき z3 = -1 より -1 以外の解は z = ( 1 ± √3i ) / 2 となります。このとき、1 / z = 2 / ( 1 ± √3i ) = ( 1 ∓√3i ) / 2 = z2 であり、1 / z2 = 2 / ( 1 ∓√3i ) = ( 1 ±√3i ) / 2 = z となります。
よって、n = 6 のときは { 1, -1, ( 1 ± √3i ) / 2, ( -1 ± √3i ) / 2 } のみとなります。
少し前に「ブラック・ジャック」の 1, 2 巻を買いました。昔の単行本のやつです。まだ買えるんですねこれ。
久しぶりに読みましたがやっぱり面白いです。続けてほしくなりましたが、コンプリートしようとすると結構お金かかるんですよね。どうしましょうか。
2017 年の名大入試問題の理系最後の問題です。次回から文系に移ります。
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n を自然数とする。0 でない複素数からなる集合 M が次の条件 (I), (II), (III) を満たしている。
(I) 集合 M は n 個の要素からなる。
(II) 集合 M の要素 z に対して 1 / z と -z はともに集合 M の要素である。
(III) 集合 M の要素 z, w に対して、その積 zw は集合 M の要素である。ただし、z = w の場合も含める。
このとき、次の問に答えよ。
(1) 1 および -1 は集合 M の要素であることを示せ。
(2) n は偶数であることを示せ。
(3) n = 4 のとき、集合 M は一通りに定まることを示し、その要素をすべて求めよ。
(3) n = 6 のとき、集合 M は一通りに定まることを示し、その要素をすべて求めよ。
(1) 集合 M のある要素 z に対して (II) より 1 / z は M の要素なので、(III) より z と 1 / z の積 1 は必ず集合 M の要素となります。また、(II) より -z も M の要素なので、(III) より -z と 1 / z の積 -1 も M の要素です。
(2) (1) より { 1, -1 } は必ず集合 M の要素となるので、M の一つの要素を z としたとき -1 との積 -z が必ず M に存在します。0 を含まないことから z ≠ -z かつ集合 M の異なる二つの要素 z1, z2 に対して -z1 ≠ -z2 なので、集合 M の要素は { z, -z } のペアをちょうど複数個持つことになり、n は偶数となります。
(3) { 1, -1 } は必ず M にあるので、残り 2 つの要素は ±1 とは異なるある複素数 z に対して [ z, 1 / z, -z } で表され、z ≠ -z より 1 / z は z, -z のいずれかと等しいことになります。z = 1 / z のとき z2 = 1 より z = ±1 なので条件を満たしません。-z = 1 / z のとき z2 = -1 となり、z = i より 4 つの要素 { 1, -1, i, -i } が決まります。
(4) ±1 とは異なるある複素数 z に対して条件 (III) より z2 も M の要素となります。z2 = 1 のとき z = ±1 であり条件を満たしません。また、z2 = -1 のとき z = i なので、これは n = 4 の場合に該当します。z2 = ±z のとき z = ±1 なのでこれらも除外すると、z2 は新たな要素であることになります。従って、{ 1, -1, z, -z, z2, -z2 } は集合 M の要素の一部を表し、その他に ±1 / z, ±1 / z2 も集合 M に含まれます。
1 / z = ±z のときは z2 = ±1 となりこれは n = 2, 4 の場合に該当します。
1 / z = z2 のとき z3 = 1 より 1 以外の解は z = ( -1 ± √3i ) / 2 となります。このとき、1 / z = 2 / ( -1 ± √3i ) = ( -1 ∓√3i ) / 2 = z2 であり、1 / z2 = 2 / ( -1 ∓√3i ) = ( -1 ±√3i ) / 2 = z となります。
1 / z = -z2 のとき z3 = -1 より -1 以外の解は z = ( 1 ± √3i ) / 2 となります。このとき、1 / z = 2 / ( 1 ± √3i ) = ( 1 ∓√3i ) / 2 = z2 であり、1 / z2 = 2 / ( 1 ∓√3i ) = ( 1 ±√3i ) / 2 = z となります。
よって、n = 6 のときは { 1, -1, ( 1 ± √3i ) / 2, ( -1 ± √3i ) / 2 } のみとなります。