2016年03月11日
名大問題 2016 (2)
震災から 5 年。今日はニュースでも特別枠が組まれ、復興の現状についてずっと放送されていました。
そして、それに埋もれるようにひっそりと、人工知能が囲碁界世界最強の棋士を二戦連勝で破るというニュースが流れ、さすがにゾッとしました。自分が思い浮かべる最悪の世界像は人工知能に支配されるというもの。しかし、人工知能が人間を超えてしまうのではなく、人間のほうが人工知能の利用で脳を退化させてしまうのが理由です。そうなると、もはや人工知能に頼らなければ生きてゆけなくなりますからね。
そうならないように、入試問題で脳のトレーニングをしました。合っている保証はありません。
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二つの円 C : ( x - 1 )2 + y2 = 1 と D : ( x + 2 )2 + y2 = 72 を考える。また原点を O( 0, 0 ) とする。このとき、次の問に答えよ。
円 C 上に、y 座標が正であるような点 P をとる。点 P が円 C 上を動き、点 Q が円 D 上を動くとき、ΔOPQ の面積の最大値を求めよ (途中の導出問題は省略) (名古屋大 2016)。
まず、x 軸の正の部分と線分 OP のなす角度を θ とします。点 P( px, py ) の座標を θ で表すと、
px = 1 - cos( π - 2θ ) = 1 + cos2θ
py = sin( π - 2θ ) = sin2θ
となります。また、OP の長さは 2cosθ となります。
点 P を固定したとき、ΔOPQが最大になるのは、OP を通る直線に円 D の中心 ( -2, 0 ) からひいた垂線が円 D と交差する点を Q としたときになります。これは、( -2, 0 ) を通り、ベクトル OP = ( 1 + cos2θ, sin2θ ) と直交する直線との交点を意味するので、まずはこの直線の方程式を求めると、
1 + cos2θ = 2cos2θ
sin2θ = 2sinθcosθ
より、求める直線の方向ベクトルを ( 1, t ) とすると
2cos2θ + 2tsinθcosθ = 0
を満たせばよく、0 < θ < π / 2 より cosθ ≠ 0 なので
t = -cosθ / sinθ = -1 / tanθ
となります。従って、直線の方程式は
y = ( -1 / tanθ )( x +2 )
となって、円 D との交点は
( x + 2 )2 + ( x + 2 )2 / tan2θ = 72
を計算することによって
( x, y ) = ( 7sinθ - 2, -7cosθ ), ( -7sinθ - 2, 7cosθ )
となります。
直線 OP は y = x tanθ なので、先ほど求めた垂線 y = ( -1 / tanθ )( x +2 ) との交点は
( x, y ) = ( -2cos2θ, -2sinθcosθ )
となります。従って、ΔOPQ の高さは、( x, y ) = ( 7sinθ - 2, -7cosθ ) のとき
( -2cos2θ - 7sinθ + 2 )2 + ( -2sinθcosθ + 7cosθ )2
= ( 2sinθ - 7 )2sin2θ + ( 2sinθ - 7 )2cos2θ
= ( 2sinθ - 7 )2
より ( 0 < sinθ < 1 なので ) 7 - 2sinθ であり、( -7sinθ - 2, 7cosθ ) の場合も同様に計算して 7 + 2sinθ となります。よって ΔOPQ の面積は
( 7 ± 2sinθ )cosθ = 7cosθ ± sin2θ
となり、0 < θ < π / 2 より sin2θ > 0 なので最大をとるのは 7cosθ + sin2θ の方です。これを θ に対して微分すると
f'(θ)
= -7sinθ + 2cos2θ
= -7sinθ + 2( 1 - 2sin2θ )
= -4sin2θ - 7sinθ + 2
なので、f'(θ) = 0 のとき
sinθ = [ -7 ± ( 72 + 4・4・2 )1/2 ] / ( 2・4 ) = -2, 1 / 4
となって、0 < sinθ < 1 より 1 / 4 が解となります。このとき cosθ = √15 / 4 なので、
7cosθ + sin2θ = 7cosθ + 2sinθcosθ ≤ 7√15 / 4 + 2・( 1 / 4 )・( √15 / 4 ) = 15√15 / 8 となります。
そして、それに埋もれるようにひっそりと、人工知能が囲碁界世界最強の棋士を二戦連勝で破るというニュースが流れ、さすがにゾッとしました。自分が思い浮かべる最悪の世界像は人工知能に支配されるというもの。しかし、人工知能が人間を超えてしまうのではなく、人間のほうが人工知能の利用で脳を退化させてしまうのが理由です。そうなると、もはや人工知能に頼らなければ生きてゆけなくなりますからね。
そうならないように、入試問題で脳のトレーニングをしました。合っている保証はありません。
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二つの円 C : ( x - 1 )2 + y2 = 1 と D : ( x + 2 )2 + y2 = 72 を考える。また原点を O( 0, 0 ) とする。このとき、次の問に答えよ。
円 C 上に、y 座標が正であるような点 P をとる。点 P が円 C 上を動き、点 Q が円 D 上を動くとき、ΔOPQ の面積の最大値を求めよ (途中の導出問題は省略) (名古屋大 2016)。
まず、x 軸の正の部分と線分 OP のなす角度を θ とします。点 P( px, py ) の座標を θ で表すと、
px = 1 - cos( π - 2θ ) = 1 + cos2θ
py = sin( π - 2θ ) = sin2θ
となります。また、OP の長さは 2cosθ となります。
点 P を固定したとき、ΔOPQが最大になるのは、OP を通る直線に円 D の中心 ( -2, 0 ) からひいた垂線が円 D と交差する点を Q としたときになります。これは、( -2, 0 ) を通り、ベクトル OP = ( 1 + cos2θ, sin2θ ) と直交する直線との交点を意味するので、まずはこの直線の方程式を求めると、
1 + cos2θ = 2cos2θ
sin2θ = 2sinθcosθ
より、求める直線の方向ベクトルを ( 1, t ) とすると
2cos2θ + 2tsinθcosθ = 0
を満たせばよく、0 < θ < π / 2 より cosθ ≠ 0 なので
t = -cosθ / sinθ = -1 / tanθ
となります。従って、直線の方程式は
y = ( -1 / tanθ )( x +2 )
となって、円 D との交点は
( x + 2 )2 + ( x + 2 )2 / tan2θ = 72
を計算することによって
( x, y ) = ( 7sinθ - 2, -7cosθ ), ( -7sinθ - 2, 7cosθ )
となります。
直線 OP は y = x tanθ なので、先ほど求めた垂線 y = ( -1 / tanθ )( x +2 ) との交点は
( x, y ) = ( -2cos2θ, -2sinθcosθ )
となります。従って、ΔOPQ の高さは、( x, y ) = ( 7sinθ - 2, -7cosθ ) のとき
( -2cos2θ - 7sinθ + 2 )2 + ( -2sinθcosθ + 7cosθ )2
= ( 2sinθ - 7 )2sin2θ + ( 2sinθ - 7 )2cos2θ
= ( 2sinθ - 7 )2
より ( 0 < sinθ < 1 なので ) 7 - 2sinθ であり、( -7sinθ - 2, 7cosθ ) の場合も同様に計算して 7 + 2sinθ となります。よって ΔOPQ の面積は
( 7 ± 2sinθ )cosθ = 7cosθ ± sin2θ
となり、0 < θ < π / 2 より sin2θ > 0 なので最大をとるのは 7cosθ + sin2θ の方です。これを θ に対して微分すると
f'(θ)
= -7sinθ + 2cos2θ
= -7sinθ + 2( 1 - 2sin2θ )
= -4sin2θ - 7sinθ + 2
なので、f'(θ) = 0 のとき
sinθ = [ -7 ± ( 72 + 4・4・2 )1/2 ] / ( 2・4 ) = -2, 1 / 4
となって、0 < sinθ < 1 より 1 / 4 が解となります。このとき cosθ = √15 / 4 なので、
7cosθ + sin2θ = 7cosθ + 2sinθcosθ ≤ 7√15 / 4 + 2・( 1 / 4 )・( √15 / 4 ) = 15√15 / 8 となります。
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