2016年04月13日
テイラー展開
さっきから大雨降ってます。明日も雨の予報でしたっけ?
ウェーブレット変換はかなり奥が深く、本格的に勉強しようとすると大変です。以前まとめたドキュメントはいろいろと変な箇所があって、まずはそれだけでも修正しようと思っていますが、さらに新しい内容を追加しようとするとまだ理解度が不足しているのでかなり時間が掛かりそうです。実はもう一つ、統計の分野の PLS をまとめてみようとも思っていて、どちらを優先するか悩んでます。まず、いまのところはウェーブレット変換の方を優先しています。
昔拾った問題をまた解いてみましたが、今回はテーラー展開を使っています。高校の時は確か習わないのでこれはアウトかな?
例によって合っている保証なしです。
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1) 実数 x が -1 < x < 1, x ≠ 0 を満たすとき、( 1 - x )1-1/x < ( 1 + x )1/x を示せ。
2) 次の不等式 0.9999101 < 0.99 < 0.9999100 を示せ ( 09 東大理系 5 )
1)
log( 1 + x )1/x = ( 1 / x )log( 1 + x ) より、f(x) = log( 1 + x ) をテーラー展開すると、
f(1)(x) = ( 1 + x )-1
f(2)(x) = -( 1 + x )-2
f(3)(x) = 2( 1 + x )-3
:
f(k)(x) = ( -1 )k-1( k - 1 )!( 1 + x )-k
より、
f(x)
= f(0) + Σk{1→∞}( ( 1 / k! )f(k)(0)xk )
= Σk{1→∞}( ( 1 / k! )( -1 )k-1( k - 1 )!xk )
= Σk{1→∞}( ( -1 )k-1xk / k )
なので
log( 1 + x )1/x = Σk{1→∞}( ( -1 )k-1xk-1 / k )
となります。また、log( 1 - x )1-1/x = ( 1 - 1 / x )log( 1 - x ) も、g(x) = log( 1 - x ) をテーラー展開すれば ( 先の式に対して x を -x に代えるだけなので )
g(x) = Σk{1→∞}( -xk / k )
より
( 1 - 1 / x )log( 1 - x )
= [ ( x - 1 ) / x ]Σk{1→∞}( -xk / k )
= ( 1 - x )Σk{1→∞}( xk-1 / k )
となります。両者を引き算すると
log( 1 + x )1/x - log( 1 - x )1-1/x
= Σk{1→∞}( ( -1 )k-1xk-1 / k ) - ( 1 - x )Σk{1→∞}( xk-1 / k )
= Σk{1→∞}( [ ( -1 )k-1xk-1 / k - xk-1 / k ] + xk / k )
= Σk{1→∞}( [ ( -1 )k-1 - 1 ]xk-1 / k + xk / k )
= Σk{1→∞}( -2x2k-1 / 2k + x2k-1 / ( 2k - 1 ) + x2k / 2k )
= Σk{1→∞}( x2k / 2k - [ ( k - 1 ) / k( 2k - 1 ) ] }x2k-1 )
= Σk{1→∞}( x2k / 2k - [ k / ( k + 1 )( 2k + 1 ) ] }x2k+1 )
= Σk{1→∞}( { 1 / 2k - [ kx / ( k + 1 )( 2k + 1 ) ] }x2k )
-1 < x < 0 のとき、kx / ( k + 1 )( 2k + 1 ) < 0 かつ x2k > 0 なので (右辺) > 0 になります。
0 < x < 1 のとき、(右辺) > Σk{1→∞}( 1 / 2k - [ k / ( k + 1 )( 2k + 1 ) ] ) で、
1 / 2k - [ k / ( k + 1 )( 2k + 1 ) ]
= [ ( k + 1 )( 2k + 1 ) - 2k2 ] / 2k( k + 1 )( 2k + 1 )
= ( 3k + 1 ) / 2k( k + 1 )( 2k + 1 ) > 0 なので、
0 < x < 1 かつ x ≠ 0 ならば命題が成り立つことが証明されました。
2)
0.9999101 = ( 0.99・1.01 )101 = 0.99101・1.01101 より
1.01101
= [ 1 - ( -0.01 ) ]1-1/(-0.01)
< [ 1 + ( -0.01 ) ]-1/0.01
= 0.99-100
よって 0.9999101 < 0.99101・0.99-100 = 0.99 となります。
また、0.9999100 = ( 0.99・1.01 )100 = 0.99100・1.01100 より
1.01100
= ( 1 + 0.01 )1/0.01
> ( 1 - 0.01 )1-1/0.01
= 0.99-99
よって 0.9999100 > 0.99100・0.99-99 = 0.99 となります。
以上から、命題が成り立つことが証明されました。
ウェーブレット変換はかなり奥が深く、本格的に勉強しようとすると大変です。以前まとめたドキュメントはいろいろと変な箇所があって、まずはそれだけでも修正しようと思っていますが、さらに新しい内容を追加しようとするとまだ理解度が不足しているのでかなり時間が掛かりそうです。実はもう一つ、統計の分野の PLS をまとめてみようとも思っていて、どちらを優先するか悩んでます。まず、いまのところはウェーブレット変換の方を優先しています。
昔拾った問題をまた解いてみましたが、今回はテーラー展開を使っています。高校の時は確か習わないのでこれはアウトかな?
例によって合っている保証なしです。
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1) 実数 x が -1 < x < 1, x ≠ 0 を満たすとき、( 1 - x )1-1/x < ( 1 + x )1/x を示せ。
2) 次の不等式 0.9999101 < 0.99 < 0.9999100 を示せ ( 09 東大理系 5 )
1)
log( 1 + x )1/x = ( 1 / x )log( 1 + x ) より、f(x) = log( 1 + x ) をテーラー展開すると、
f(1)(x) = ( 1 + x )-1
f(2)(x) = -( 1 + x )-2
f(3)(x) = 2( 1 + x )-3
:
f(k)(x) = ( -1 )k-1( k - 1 )!( 1 + x )-k
より、
f(x)
= f(0) + Σk{1→∞}( ( 1 / k! )f(k)(0)xk )
= Σk{1→∞}( ( 1 / k! )( -1 )k-1( k - 1 )!xk )
= Σk{1→∞}( ( -1 )k-1xk / k )
なので
log( 1 + x )1/x = Σk{1→∞}( ( -1 )k-1xk-1 / k )
となります。また、log( 1 - x )1-1/x = ( 1 - 1 / x )log( 1 - x ) も、g(x) = log( 1 - x ) をテーラー展開すれば ( 先の式に対して x を -x に代えるだけなので )
g(x) = Σk{1→∞}( -xk / k )
より
( 1 - 1 / x )log( 1 - x )
= [ ( x - 1 ) / x ]Σk{1→∞}( -xk / k )
= ( 1 - x )Σk{1→∞}( xk-1 / k )
となります。両者を引き算すると
log( 1 + x )1/x - log( 1 - x )1-1/x
= Σk{1→∞}( ( -1 )k-1xk-1 / k ) - ( 1 - x )Σk{1→∞}( xk-1 / k )
= Σk{1→∞}( [ ( -1 )k-1xk-1 / k - xk-1 / k ] + xk / k )
= Σk{1→∞}( [ ( -1 )k-1 - 1 ]xk-1 / k + xk / k )
= Σk{1→∞}( -2x2k-1 / 2k + x2k-1 / ( 2k - 1 ) + x2k / 2k )
= Σk{1→∞}( x2k / 2k - [ ( k - 1 ) / k( 2k - 1 ) ] }x2k-1 )
= Σk{1→∞}( x2k / 2k - [ k / ( k + 1 )( 2k + 1 ) ] }x2k+1 )
= Σk{1→∞}( { 1 / 2k - [ kx / ( k + 1 )( 2k + 1 ) ] }x2k )
-1 < x < 0 のとき、kx / ( k + 1 )( 2k + 1 ) < 0 かつ x2k > 0 なので (右辺) > 0 になります。
0 < x < 1 のとき、(右辺) > Σk{1→∞}( 1 / 2k - [ k / ( k + 1 )( 2k + 1 ) ] ) で、
1 / 2k - [ k / ( k + 1 )( 2k + 1 ) ]
= [ ( k + 1 )( 2k + 1 ) - 2k2 ] / 2k( k + 1 )( 2k + 1 )
= ( 3k + 1 ) / 2k( k + 1 )( 2k + 1 ) > 0 なので、
0 < x < 1 かつ x ≠ 0 ならば命題が成り立つことが証明されました。
2)
0.9999101 = ( 0.99・1.01 )101 = 0.99101・1.01101 より
1.01101
= [ 1 - ( -0.01 ) ]1-1/(-0.01)
< [ 1 + ( -0.01 ) ]-1/0.01
= 0.99-100
よって 0.9999101 < 0.99101・0.99-100 = 0.99 となります。
また、0.9999100 = ( 0.99・1.01 )100 = 0.99100・1.01100 より
1.01100
= ( 1 + 0.01 )1/0.01
> ( 1 - 0.01 )1-1/0.01
= 0.99-99
よって 0.9999100 > 0.99100・0.99-99 = 0.99 となります。
以上から、命題が成り立つことが証明されました。