2014年10月25日
-1 x -1 = ?
今日はインフルエンザの予防接種のため病院まで行ってきました。
行ってきたのは内科の病院で最近は行くこともなかったので久々に先生にお会いしたわけですが、去年よりも少し太ったと指摘されました。最近気にはしてるんですよね。
小学校の時に習うのになぜそうなるのかは説明がされず、気が付くと疑問にも思わずに使っていたというものに負数どうしの掛け算というものがあります。なぜ、マイナスとマイナスを掛けるとプラスになるのでしょうか。
■ -1 x -1 = 1 の証明
まず、以下の三つは成り立つことを前提とします。
1) 0 にどんな数を掛けても結果は 0 になる。任意の整数 N に対して 0 x N = N x 0 = 0。
2) 1 にどんな数を掛けても結果は変わらない。任意の整数 N に対して 1 x N = N x 1 = N。
3) 任意の整数 K, M, N に対して、展開公式 K x ( M + N ) = ( M + N ) x K = K x M + K x N が成り立つ。
すると、1) より
0 x (-1) = 0
が成り立ちます。0 = 1 + (-1) なので、上式は
[ 1 + (-1) ] x (-1) = 0
で、3) の展開公式から
1 x (-1) + (-1) x (-1) = 0
となります。2) より 1 x (-1) = -1 なので、
-1 + (-1) x (-1) = 0
となって、この等式が成り立つためには
(-1) x (-1) = 1
でなければなりません。従って、(-1) x (-1) = 1 になります。
自然数どうしの掛け算は、ある数を他の数の回数だけ(ゼロに)加算するという意味です。3 x 2 なら、3 を 2 回加えるという意味なので結果は 6 になります。よって、0 を掛けるということは 0 回加算する意味になって結果は必ずゼロ、1 を掛けるということは 1 回加算することなので結果は変化しない事になります。
3 x 2 を逆の 2 x 3 にしても結果は変化しません。これはどう説明すればいいでしょうか。3 は 1 を 3 回加えたもので、2 は 1 を 2 回加えたものです。これをマッチ棒に例えると、マッチ棒三本のグループが二つの場合とマッチ棒二本のグループが三つの場合でマッチ棒の本数が等しいことを意味します。グループの中から一本ずつマッチ棒を抜き取ると、グループ数と等しいマッチ棒を持った異なるグループができて、抜き取られたグループは一本ずつマッチ棒が少なくなります。これを繰り返すと、元のグループ数と等しいマッチ棒を持ったグループが、元のグループにあったマッチ棒の数と等しい分だけ得られます。つまり、M 本のマッチ棒を持った N 個のグループが、N 本のマッチ棒を持った M 個のグループに変化するわけです。
展開公式は、M + N 本のマッチ棒を持ったグループを、M 本のマッチを持ったグループと N 本のマッチを持ったグループに分ける操作と同じ意味になります。このように、自然数だけを相手にすれば、掛け算の意味がきちんと説明できます。
負の数が加わるとどうなるでしょうか。-N を掛けるというのは、ある数を -N 回加える、逆に考えれば N 回引くことと解釈できます。すると、5 x -2 は 5 を 2 回引くと考えて -10 と求めることができます。-1 x -1 は、-1 を 1 回引く操作と解釈できます。ゼロから 1 回だけ -1 を引けば、それは 1 になります。こうやって考えると、先ほど示したように計算のつじつまが合うようになります。そもそも -1 回なにか行うといったことはできないわけで、逆のことをすると解釈するしかありません。 -1 回もらうなら 1 回与える、-1 歩東に進むのなら 1 歩西に進むといった具合に。
行ってきたのは内科の病院で最近は行くこともなかったので久々に先生にお会いしたわけですが、去年よりも少し太ったと指摘されました。最近気にはしてるんですよね。
小学校の時に習うのになぜそうなるのかは説明がされず、気が付くと疑問にも思わずに使っていたというものに負数どうしの掛け算というものがあります。なぜ、マイナスとマイナスを掛けるとプラスになるのでしょうか。
■ -1 x -1 = 1 の証明
まず、以下の三つは成り立つことを前提とします。
1) 0 にどんな数を掛けても結果は 0 になる。任意の整数 N に対して 0 x N = N x 0 = 0。
2) 1 にどんな数を掛けても結果は変わらない。任意の整数 N に対して 1 x N = N x 1 = N。
3) 任意の整数 K, M, N に対して、展開公式 K x ( M + N ) = ( M + N ) x K = K x M + K x N が成り立つ。
すると、1) より
0 x (-1) = 0
が成り立ちます。0 = 1 + (-1) なので、上式は
[ 1 + (-1) ] x (-1) = 0
で、3) の展開公式から
1 x (-1) + (-1) x (-1) = 0
となります。2) より 1 x (-1) = -1 なので、
-1 + (-1) x (-1) = 0
となって、この等式が成り立つためには
(-1) x (-1) = 1
でなければなりません。従って、(-1) x (-1) = 1 になります。
自然数どうしの掛け算は、ある数を他の数の回数だけ(ゼロに)加算するという意味です。3 x 2 なら、3 を 2 回加えるという意味なので結果は 6 になります。よって、0 を掛けるということは 0 回加算する意味になって結果は必ずゼロ、1 を掛けるということは 1 回加算することなので結果は変化しない事になります。
3 x 2 を逆の 2 x 3 にしても結果は変化しません。これはどう説明すればいいでしょうか。3 は 1 を 3 回加えたもので、2 は 1 を 2 回加えたものです。これをマッチ棒に例えると、マッチ棒三本のグループが二つの場合とマッチ棒二本のグループが三つの場合でマッチ棒の本数が等しいことを意味します。グループの中から一本ずつマッチ棒を抜き取ると、グループ数と等しいマッチ棒を持った異なるグループができて、抜き取られたグループは一本ずつマッチ棒が少なくなります。これを繰り返すと、元のグループ数と等しいマッチ棒を持ったグループが、元のグループにあったマッチ棒の数と等しい分だけ得られます。つまり、M 本のマッチ棒を持った N 個のグループが、N 本のマッチ棒を持った M 個のグループに変化するわけです。
展開公式は、M + N 本のマッチ棒を持ったグループを、M 本のマッチを持ったグループと N 本のマッチを持ったグループに分ける操作と同じ意味になります。このように、自然数だけを相手にすれば、掛け算の意味がきちんと説明できます。
負の数が加わるとどうなるでしょうか。-N を掛けるというのは、ある数を -N 回加える、逆に考えれば N 回引くことと解釈できます。すると、5 x -2 は 5 を 2 回引くと考えて -10 と求めることができます。-1 x -1 は、-1 を 1 回引く操作と解釈できます。ゼロから 1 回だけ -1 を引けば、それは 1 になります。こうやって考えると、先ほど示したように計算のつじつまが合うようになります。そもそも -1 回なにか行うといったことはできないわけで、逆のことをすると解釈するしかありません。 -1 回もらうなら 1 回与える、-1 歩東に進むのなら 1 歩西に進むといった具合に。