2015年04月19日

明日は雨のようです

現在、確率・統計用サンプル・プログラムの大幅な見直し中です。

次は「生存時間解析」を新しいテーマとして公開する予定ですが、その前に今までのサンプル・プログラムを見直しておかないと、あまりにもゴチャゴチャになりすぎて収集がつかなくなると思い着手し始めてからだいぶ経ちます。ようやく 1 / 3 程度が完了したところで、まだ先は長いです。一応、整理が済んだら公開をしようと考えています。

久しぶりの数学問題。今回は名古屋大の入試問題です。

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サイコロを投げると 1 から 6 までの整数の目が等しい確率で出るとする。サイコロを n 回 ( n = 1, 2, 3, ... ) 投げるとき、出る目の積の 1 の位が j ( j = 0, 1, 2, ... ,9 ) となる確率を P_n(j) とする。(中略) 4) P_n(5) を求めよ。( 09 名古屋・理 )

まず、積の 1 の位が奇数であるためには、出た目の数が全て奇数である必要があるため、一つでも偶数の目が出る場合は全て除外することができます。n - 1 回の試行で 1 の位が奇数であった時、n 回目の試行によって 1 の位が 5 になるためには、n 回目に 5 が出るか、または n - 1 回目で 1 の位が 5 であった場合に限られます。n 回目で 1 の位が奇数となる場合の数は、n = 1 のとき { 1, 3, 5 } で 3 通りであり、n = 2 のとき、各場合に対して奇数の目が出る場合の数はそれぞれ 3 ( 例えば 1 に対して { 1, 1 } { 1, 3 } { 1, 5 } ) なので、32 となります。この操作を繰り返すと、n のときは 3n 通りの場合があることになります。

n - 1 回目では、積の 1 の位が奇数になる場合が 3n-1 通りあり、5 になる場合の数を F_n-1(5) で表すと、n 回目の試行では奇数の時に 5 が出る 3n-1 通りと、5 の時に奇数が出る 3 * F_n-1(5) 通りの場合に 1 の位が 5 になります。しかし、奇数の場合の中には 5 が含まれ、n - 1 回目の時に 1 の位が 5 で、n 回目も 5 が出た場合は重複して数えているため、その場合の数 F_n-1(5) を差し引く必要があります。これらの結果から

F_n(5) = 3n-1 + 3F_n-1(5) - F_n-1(5) = 2F_n-1(5) + 3n-1

という漸化式が得られます。

F_n(5) - 2F_n-1(5) = 3n-1

より

F_n(5) - 2F_n-1(5) = 3n-1
2F_n-1(5) - 22F_n-2(5) = 2・3n-2
22F_n-2(5) - 23F_n-3(5) = 22・3n-3
:
2n-2F_2(5) - 2n-1F_1(5) = 2n-2・3

となるので、辺々加えると

F_n(5) - 2n-1F_1(5) = 3n-1 + 2・3n-2 + 22・3n-3 + ... + 2n-2・3

となります。右辺については

S = 3n-1 + 2・3n-2 + 22・3n-3 + ... + 2n-3・32 + 2n-2・3

とすると

( 2 / 3 )S = 2・3n-2 + 22・3n-3 + 23・3n-4 + ... + 2n-2・3 + 2n-1

なので、辺々差し引くと

( 1 - 2 / 3 )S = 3n-1 - 2n-1

より

S = 3n - 3・2n-1

となります。また、F_1(5) = 1 なので、

F_n(5) = 3n - 3・2n-1 - 2n-1 = 3n - 2n

という結果が得られます。最後に、n 回目の試行で出る目の組み合わせは 6n 通りあるので、

P_n(5) = ( 3n - 2n ) / 6n

となります。

例によって、合っている保証はありません。
それから、5 以外の場合も求めることができるのかというのも気になるところです。時間があればチャレンジしてみたいですね。

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